子を持って知る

息子がときどき鋭い目つきでこちらを見てくることがあってびっくりするのですが、2歳児なので悪意があってやってることではなく、たまたまだと分かっているので驚くだけで終わります。

でもその経験から、自分が子どものころ睨んだ覚えは全くないのに「なんだその目は!」としょっちゅう父に殴られていたのはこの目のせいか!と腑に落ちてスッキリしました。息子は夫そっくりですが、ふとした表情や仕草はもちろん私にも似ています。

病んでいた証拠のひとつでもあるけれど、こんな幼い子の表情ひとつで激昂する父は本当にどうしようもなく弱い人間だったんだな、とあわれに思えてきます。

子育ては、自分の幼少期を振り返ることでもあり、自分を育てた親の人生を追体験することでもあるのかもしれません。息子を育てながら、私は暴力を振るい続けた父親という人間の有り様を知ることになるのでしょう。子を持って知るのは親の恩ばかりではないのです。