わるくない

   フランス語を再び勉強し始めて半年あまり、読み書きはそこそこ思い出してきたけれど、聞く話すはまだまだお話にならない。仏検は準2級から2次試験の面接があるし、話す機会を見つけなければとかねがね思っていた。

   というわけで今回無理矢理その機会を作って某所で勉強してきた。先生は絵に描いたようなイケメンフランス人!いやっほう!フランス語を話すのは十数年ぶりだけど、おかげでテンションうなぎのぼり!なんかいい匂いするし♡(変態)

先生「アントワーヌ(仮名)です。はじめまして。あなたは?」
私「矢子です、はじめまして」
先「わたしはフランス人です。あなたは?」
私「わたしは日本人です」
先「わたしはフランス語に、英語、スペイン語、ドイツ語、それに少しだけ日本語を話します。あなたは?」
私「……わたしは日本語を話します。以上です」
先「フランス語も少し話せます、ね」
私「いいえ日本語だけです!(きっぱり)」
   ウォーミングアップがてら(?)そんな超初歩的な会話をしてから本題へ。

「なぜフランス語を勉強しているの?」「あなたのお子さんの誕生日は?」「先週何をしていましたか?」「来週の予定はなんですか?」「得意な料理はなんですか?」

   こんな簡単な質問を、それもゆっくり話してくれるのでなんとか答えられた。答えながら、これは噂に聞く2級の2次試験の簡易バージョンだな、と思った。はじめの質問には答えられるものの、話を膨らまされると言葉に詰まる。そして書くときはまず間違えないような、すごく初歩的な動詞の活用も冠詞も前置詞もめちゃくちゃ。でも本番前にこれを経験しておいて良かった。

   息子の生年月日は盲点であわわわとなった。自分のはすらすら言えるのになあ。考えたらマダムに年聞くのは失礼だもんね。他にも息子について色々聞かれたので、仏検でも質問されることは大いに予想できる。練習しとこう。

   今回ふたりのフランス人の先生に教わったのだけど、ふたりとも「もうすぐ2歳になる子を保育園に入れてないなんて!」と驚いていた。
   フランスでは家庭環境に関わらず、子どもは早いうちから日中を保育園で過ごす。夜に子どもをベビーシッターに預けて夫婦で飲みに行くのも普通のこと。
   日本では保育園に入れるのは点取り合戦で、幼稚園でも人気園に入れようと思ったら行列大会なのですよ。少子化は進んでるのにおかしな話です。そもそもこの国では女性の社会進出自体遅れていて……とかなんとかフランス語で説明できるようになりたいな。精進しよう。

   そして今回どちらの先生にも「pas mal (悪くない)」を連発された。フランス人はストレートに人を褒めることが少ない。その代わり「pas mal」をよく使う。学生のころ、先生にしょっちゅう書かれていたのを懐かしく思い出した。でも今回が人生で一番多く「悪くない」と言われた日かもしれないな。

   普段日本語での会話すらあまりできてない(息子はまだ話せないので会話が成り立たない)わりには本当にpas malだったんじゃないだろうか。それにしても終わってからの「あの時ああ言えば良かった」感半端ない。毎週通える環境なら来週はこうしよう、と思えるけれど、私にはもちろん次はないのでひたすら脳内トレーニングあるのみ。またいつか機会があればいいけれどなかなか難しい。でも楽しかったからいいや。先生いい匂いだったし(変態)。

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   受験票が来ちゃったのでもう逃げられないですな。