2014-05-04 海あかり 詞 うす紫に燃える 窓の中の海まばたきひとつで魚になれそうな気がしたの膝の上の猫にとつおいつ話すのは他人づてに聞いていた父と母のゆくえ父さんは唄うたい 母さんは踊り子波の奥に漂うちいさな島に暮らすというひとりきり娘は架空の恋人と遊び海色のインクで宛もない手紙したためた彗星が音たてて 海の底に沈めば白く溶ける浜辺に打ち捨てられた誰かの声父さんは唄うたい 母さんは踊り子波の奥に漂うちいさな島に暮らすというひとりきり娘は架空の恋人と眠りまぶたの奥に燃える 想い出にそっとくちづけた(2002)